今回はバーレーンの真珠について語っていきたいと思います。
バーレーンとはどこの国ぞや?と思う人も多いでしょう。
バーレーンは中東にある島国で人口が164万人の国です。中東本土とは橋でつながっています。
バーレーンを含めた中東は石油のイメージがありますが、そんなバーレーンは昔、天然真珠の採取で栄えていた国なのです。その歴史は古く、紀元前2000年頃まで遡るのだとか。
その証拠としてバーレーンのムバラク島にあるかつて真珠を取引していた建物群が「バーレーン真珠採取の道」として2012年に世界文化遺産に登録されています。
では、バーレーンの真珠とは一体どのようなものだったのでしょうか。
バーレーンの真珠は母貝がベニコチョウガイというアコヤガイの仲間の天然真珠で大きさも2~3mmの物ほどしかありません。通常の真珠の大きさは7~8mmですが、これは核を入れた養殖真珠の大きさ。天然真珠は7mm以下の小粒の物が多いのです。
しかし侮るなかれ。核は小さな有孔虫でほとんどが真珠層に覆われています。まるでスキーでの雪玉みたいですね。
バーレーンの真珠は日本の真珠とは違い、真珠層が非常に厚いのですごい透明感を放っています。中東の真珠の中ではバーレーンで採れた真珠が最高級だったようです。ただ、天然真珠は1万個の貝から数粒しか取れません。その確率は1000/1なのです。それでもバーレーンは天然真珠へのこだわりが強いです。
そのため、バーレーンは養殖真珠の持ち込みを禁止しており、バーレーンの宝飾品店で扱う真珠はすべて天然真珠ですのですごいです。また、バーレーンの宝石研究所、DANATは物理学や宝石学を駆使し、真珠が天然か養殖かを見分けるためのX線検査を実施したりなど徹底的に真珠を鑑定しているようです。
では、どのようにして真珠は採取されているのでしょうか。
まず、潜水夫は半ズボンのようなものを着けただけで、ほかには鼻挟み、真珠貝を引き剥がすナイフ、貝を入れておく網袋(首から提げる)、指先を傷つけないための指袋を携帯しているのみで素潜りだったそうです。しかし、カサゴやクラゲ対策として全身を覆う黒い潜水服を着用することもあったそうです。平均的には8個から12個の真珠貝が取れたそうです。
この後、真珠貝はいったん倉庫に放置して、貝を死なせます。死んだ貝は翌朝に口を開くのです。そうすることで真珠を取り出す作業が容易にできるらしいです。
このように、バーレーンの真珠は自然的で日本の真珠にはない魅力があるのです。
いつか、日本の真珠と比べて見たいものですね。