今回は蝶貝類以外の貝が作る養殖困難な美しい真珠について取り上げたいと思います。真珠といえばアコヤガイやクロチョウガイなどの蝶貝類が作る真珠層が美しい真珠が一般的ですよね。
ところが、蝶貝類以外でも美しい真珠を作る貝がいるのです。
それが、ピンクガイという大きな巻き貝です。
フロリダ州南東岸からバミューダ、西インド諸島の砂底の潮間帯から浅海に普通に生息しており、昔から食用として用いられてきました。
そんな、ピンクガイからは「カリブの宝石」と呼ばれる小粒だけど美しく超貴重な真珠である「コンクパール」が取れます。
コンクパールは「遅れて来た天然真珠」、「海からの最後の贈り物」などで呼ばれています。この真珠は真珠層は分泌しませんが、ピンク色の火炎模様が美しいです。しかしこのコンクパールが取れる確率は10万分の1と非常に低く、また、そこから選別していくため、ジュエリーとしてのコンクパールは非常に高価です。さらに養殖が非常に難しく、最近では母貝であるピンクガイが食用巻貝としての乱獲が進んでいることなどから絶滅の危機に瀕しており、ワシントン条約での許可制となっています。また、禁漁区エリアが広がることから近い将来、コンクパールは骨董品になるかもしれません。
では、コンクパールの価値はいったいどのようなものなのでしょうか?アコヤ真珠のルースと価格を比べてみたいと思います。
アコヤ真珠の場合、9mm以上の綺麗な真珠ともなると最低でも50000円以上はします。
また、最大のサイズである11.5mmの綺麗な真珠であれば100万円はします。
では、コンクパールの場合は小粒サイズでも最低で9mm以上のアコヤ真珠の2倍の値段である10万円です。10ct以上かつ綺麗な物ともなるとなんと200万円以上はします。過去には45ctのコンクパールがありました。
コンクパールはそれだけ超貴重で価値の高い宝石なのです。
以上がコンクパールの美しさと希少性でした。コンクパールの養殖までにはいかずとも母貝であるピンクガイだけでも養殖できればいいですね。