黒蝶真珠のイメージは黒くて大粒というイメージの方が多いでしょう。しかし、昔の黒蝶真珠は黒くなかったようです。今回は昔の黒蝶真珠のアンティークジュエリーを見ていきましょう。
まずはホープ氏が所有していた「ホープパール」です。この真珠はペルシャ湾、インド洋に生息するクロチョウガイから取れました。色がイメージとは違う銀色ですね。
次はエリザベスの運命を狂わせた真珠、「ラ・ペレグリーナ」です。この真珠はパナマ湾に生息するパナマクロチョウガイから取れました。こちらも銀色です。
では、なぜ昔の大粒の黒蝶真珠は黒色ではなく銀色だったのでしょうか?その理由はクロチョウガイの貝殻の内側を見るとわかります。
クロチョウガイの真珠層は黒い部分が先端部に少しだけあり、後は銀色の真珠層になっています。ご存じの通り、真珠は貝の中に入った砂や小石、寄生虫を外套膜で包み込み、長い年月をかけて形成されます。そのため、天然の物を取っていた昔の黒蝶真珠は長い年月が経っていたため、真珠の色が黒色ではなく銀色の物がほとんどだったのです。ほとんどの人がイメージする黒くて大粒の黒蝶真珠が登場したのは1970年に養殖が成功してからの事です。真珠って不思議ですね。