今回は黒蝶真珠のアンティークコレクションについて紹介したいと思います。
黒蝶真珠はクロチョウガイから取れる一般的な真珠でほとんどの人は黒い真珠を連想すると思います。
しかし、それは1970年代に養殖が成功してからの事。それ以前の黒蝶真珠はあまり黒くはなく、しかも真珠ができにくく、40万個に1個しか発見できない「幻の真珠」でした。それゆえ、世界を変えた真珠のほとんどが黒蝶真珠で、アンティークジュエリーとしての黒蝶真珠は王家やセレブな人たちのために豪華な装飾を加えます。ここからは黒蝶真珠のアンティークジュエリーを見ていきましょう。
①ホープパール
呪いのダイヤモンドで有名な「ホープダイヤモンド」の所有者であるロンドンの銀行家ヘンリー・フィリップ・ホープが所有していた真珠です。大きさは11.43×5.08cmもある細長いドロップ・ウオーター型で450カラットもあります。ペルシャ湾とインド洋に生息するクロチョウガイから取れました。
②ラ・ペレグリーナ
イギリス女王エリザベスの運命をも狂わせたこの真珠は16世紀半ばにパナマ湾のクロチョウガイから取れました。60カラットはあります。発見者の自由の身と引き換えにスペイン王室に献上されたものの、この真珠を巡ってイギリスとスペインの戦いが起こったほど美しく、魅力があるのです。17世紀にベラスケスが描いた王女の肖像画にも描かれています。
③雄羊
このバロック真珠を使った雄羊もクロチョウガイから取れました。胴体部分に真珠を使うことにより、走る姿の躍動感が生まれており、ゆがんだ真珠のユニークな形状をどのように使うかが、職人の腕の見せどころで、当時のヨーロッパのジュエリー職人の高さがうかがえます。
以上が黒蝶真珠のアンティークコレクションでした。これらのジュエリーを見ると昔は今と違って激動だったんだなと感じます。当時の貴重さが分かりますね。今では養殖技術が発達し、一般の人でも真珠を手にできますが、それに対してのありがたみを感じますね。