真珠と石油の意外なつながりについて語っていきたいと思います。
宝石の真珠と車の燃料の石油、一見繋がりのないものですよね。
真珠と石油とどう繋がりがあるのと思いますよね。
実は真珠の養殖成功がが石油産出を後押ししたのです!!
1893年に御木本幸吉さんがミキモト真珠島で世界初となる真珠の養殖に成功します。当時は天然真珠の時代でしたので人々は驚いたでしょう。
そこから研究を重ね、1905年に真円真珠が完成し、幸吉さんの努力とパリ真珠裁判などの数々の困難を乗り越え、「世界のミキモト」と言えるほど、ミキモトの養殖真珠は世界規模で愛されていきます。
しかし、その幸吉さんの成功と努力が逆に悪影響を及ぼした国がありました。
それは中東諸国です。
中東諸国のペルシャ湾は昔ながらの天然真珠の産地であり、宝飾性、希少性を兼ね備えた良質な真珠が産出されていました。
しかし、幸吉さんの養殖真珠の成功により養殖真珠が広まると、真珠の価格破壊が起こり、養殖技術を全く知らなかった中東の真珠産業は壊滅し20年近い飢饉により22万人が死亡したといわれています。このためクウェート人を始めとする中東の人々は幸吉さんを恨み、 御木本幸吉とその一族は全員死刑というとんでもない名指の族殺アハト法もあったほどです。
そして、別の収入源の確保に必死になった中東諸国は、それまで拒んできた外資による石油探鉱を許可しました。すると、大規模油田が相次いで発見され、世界のエネルギー地図が塗り替えられ、20世紀は安価な石油の大量供給に立脚する「石油の世紀」となったのです。そして、技術の発展により石油の需要が世界的に増しました。
現在の中東諸国は親日国家が多いですが、もしタイミングが数十年ずれていたら、中東事情は全く違ったものになっていたかもしれません。冷や汗が流れそうです。
このように日本の養殖真珠の成功が中東の油田開発を推し進めたのです。とはいえ、ゾクッとくる話でした。知らない間に迷惑をかけてしまうのと同じですね。人も国も同じという事ですね。