いよいよ8月も終わり秋が近づいてきました。真珠には越物と呼ばれる2年以上養殖した真珠があります。その真珠は真珠層が厚く巻いており、きれいな色のため、かなり高価になります。しかし、真珠層は巻きすぎてもきれいな色にはならないそうです。今回は越物と巻き厚の関係について語っていきたいと思います。
越物は2年以上という長い期間、養殖するので真珠層は当然、厚くなります。しかし、その分えくぼという真珠独特の傷が発生してしまったり真円になるものが少なく値段も高くなります。そのため、越物でえくぼが少なく、真円の真珠は花珠と呼ばれ、高値で取引されることが多いのです。
しかし、巻きが厚いときれいな真珠になるとはいかないようです。真珠層は核に巻き付くセロテープみたいな役割をしています。セロテープが厚く巻くと下が見えなくなってしまいます。真珠層も同じで厚く巻きすぎるときれいな色は出ません。なので、真珠層も0.4mmから0.6mmとほどほどに巻いてこそ、きれいな真珠が生み出されるのです。また、真珠層の質が悪いと、どれほど厚く巻いてもきれいな色は出ないのです。
つまり真珠層が薄くても、厚すぎてもきれいな真珠にはなりません。ほどほどに巻いてこそ美しい真珠です。これが真珠の奥深さですね。